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管理人 子荻の日々のあれこれや更新のことなど、です。
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本筋の更新を急ぐべきだとは分かっているんですけれどね。
思いついたときが書くべきとき、が信条なので。
今週の忍たまはいろいろと心躍らせる内容ばかりだったものでつい、
ここにうちの子が居たら…という小話を考えたりしてしまい。
さすがにね、内容が内容だし、本筋と関係ないし。
これを本筋と同じページにあげるのはどうだろう、でも番外編とも違うような、
と思ったのでひっそり日記でUPしてみようかと。
日記なんで、名前変換ができないので読みたくない方もいらっしゃるでしょうから
小話は以下にたたんでおきます。
軽い子荻の自己満足のお遊びだと思って、温かい目で見てやってくださいな。
今日の忍たまを見ていないと分からないようなお話ですし。

三治郎と『夢の旅路は〜』の主人公の小話です。
では。

「で?」
気のせいではなく狭くなった空間の中で、前にしていたものから目を離しくるりと振り返った。真っすぐなまなざしを見ていられず、思わず目をそらす。
「ええと、つまり……ね?断れるかといったらそういうわけにもいかなかったというかなんて言うか、その、」
「で?」
怒られているわけでもないのにーーー怒ったところなんて一度も目にしたことはない。それはそれで、まだ距離を置かれているのかと悲しくなるけれどーーーなんとなく気まずくて。小さく小さく身を縮めた。
なんで僕がこんなすまない思いをしなきゃならないんだろう。僕は完全なる被害者なのに。
「もらって、きたんだ?」
「ごめんなさい」
間髪いれず謝った。もちろん土下座で。


いつものことながら突発的な学園長の思いつきで行われたマラソン大会。
なんでも金楽寺の和尚さんへの意趣返しらしく折り返し地点が和尚さんだとか神崎先輩に巻き込まれて道に迷ったりだとかいろいろあったけれどそれは置いといて。
問題だったのは一着のご褒美。
一体なんの役に立つのか、作成者だけが楽しいそれは、学園長先生の木像。それも等身大。
心の底から叫びたい。
いらない!
なのに、ほぼ同着だった神崎先輩に『遠慮するな、お前がもらっておけ!』と押し付けられ、学園長には『ワシのありがた〜い木像をいらんというのか!』と迫られ。
渋々持ち帰ってきたそれを置いたら部屋が狭くなった。普通は二人で使う部屋を三人で使っているのだからただでさえ余分な空間なんてないのに!
場所をとるだけの木像の前でため息をついていたら、
「………それ、なに?」
帰ってきた小弥太に、思わずビクンと飛び上がった。


「………………」
微かに首を傾げてじっと木像を見つめ、なにやら考え込んでいる小弥太にふと、そういえば…と
「そういえば小弥太は、今日のマラソンどうだったの?」
行きも帰りも、道中で見かけなかったな、と思い聞いてみると、ん?と振り返って、
「ドクターストップ」
「ああ……」
もう平気?と聞くとこっくりうなづく。
これ、どうするの?と木像を指差して聞かれ、うーん、とまた頭をひねる。
もちろん、部屋に飾りたくなんかない。狭くなるし、それに夜うなされそうだ。
かといって他に持っていくところに心当たりがあるわけでもなく。この大きさではそこいらに捨ててくるわけにもいかず。
さてどうしたものか、と思っていると、
「じゃあ、もらっていい?」
これ、と学園長の木像を指差した小弥太に目を見張った。思わず目をしばたかせて再度見るが、その細い指は確かに木像を指差していて。
学園長にはすまないが、本気?と聞くとなんでそんなこと聞くのか分からないといった顔をしてうなづきが返ってきた。
「……………まあ、小弥太が欲しいっていうんなら、構わないけど…」
そうか、そうだよな。小弥太はなんか学園長を尊敬しているし…
うんうんと自分を納得させ、でもこの部屋に置かれては自分が持っているのと何も変わらない。それだけはどうにかしてもらおうと思い、小弥太、と顔を上げるとーーー
「何してるのっ!?」
「え?」
ぱちくり、と目を瞬かせる小弥太の右手には金づち。左手には大振りのノミ。前にするのは学園長先生の木像。
あわあわと止めに入ると不思議そうにことんと首を傾げた。いやいや、こっちが聞きたいよ!?
「ど、どうするつもりなのそれ?」
すると、金づちとノミを手にしたまま、
「割って、薪にしようかと」

…………………薪!?
「そ、それは、ちょっと………」
マズいんじゃないかな、とつぶやいた声はモゴモゴと口の中を渦巻く。
「ほら、なにしろ学園長先生の形してるし、」
はた迷惑な老人でも、一応尊敬する学園の主。その形を燃したものを、景気よくかち割って薪にして、火にくべるっているのはどうなんだろう、と苦笑いを口の端に浮かべる僕に、

「偶像崇拝の気持ちはないから」
平気。

よく乾かしてあるから、よく燃えると思うんだ、と木像を見上げていった小弥太の目は、僕達にしか分からないくらいほんのりだけれどキラキラと期待に輝いて。


……………………………………


「………うん、もう小弥太のだから、好きにしていいと思うよ」
「ありがとう」



後日。あの木像はどうしたかな、とカカと笑って聞いてきた学園長に、
「…………小弥太がとっても欲しいというので、あげました」
「ほうほう、小弥太がか!!」

知らぬが仏、というお話。
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